森林には、生活に不可欠な多くの働きがあります。きれいな水を蓄えたり、光合成により空気を浄化したり、大きな根により土砂崩れや洪水を防ぎます。さらに、木の香りにはリラックス効果があり、自然素材ならではの調湿効果にも優れます。紫外線をよく吸収するため、木材が反射する光は、目に与える刺激が少ないと言われています。
木材は自ら呼吸し、太陽の光で資源そのものの再生が可能であり、『切ったら植える』という手入れを適切に行う事で、いつまでも枯渇することなく使い続けることができます。
国内には、1千万haを超える人工林があり、それらの人工林の全てが建築用材などに使用するために植えられ育てられています。人工林の一年間に成長する量は、私達が一年間に建築用材として消費する量と同等にあります。日本は、国土の3分の2が森林な為、国内の建築を全て賄っても森林が減少する事はないのです。
しかし、建築用材として使用するためには、木が立派に成長していなくてはなりません。
そのために必要なのが、間伐です。間伐をすることで森林密度が下がって森の木1本1本に十分に日光が当たるようにします。そうすることで、木が立派に成長し、建築用材として使用できる木となるのです。体に取り込む化学物質の量をゼロにすることは不可能ですが、注意して減らすことはできるはずです。この先、どう化学物質と共存するか、それが私たちに与えられた課題なのです。
逆に、間伐せずにいると、木に充分日光が当らず、成長が遅れ、根腐れを引き起こす事にもなります。
木は、光合成により地球温暖化の原因となる二酸化炭素を大気中から吸収し、炭素として固定する働きがあります。若くて成長が活発な木ほど、二酸化炭素をたくさん吸収します。手入れが適切に行われず、雑草や枝が荒れ放題の山や、伐採してそのまま禿山が至る所に増える結果、山が雨を保水する力を無くし、地表から一気に川へ流れ洪水が起きたり、逆に地下水が枯渇し川の水が極端に減るといった状況をつくってしまうのです。木資源を使わない事が日本の森林にとってエコとは限らないのです。
森を間伐をすることは、地球温暖化意外にも酸性雨・環境汚染の問題にも良いことがあります。アルミや鉄、コンクリートや木材などの工業資材は、生産、加工などの過程で消費するエネルギーとして様々な化石エネルギーを必要とします。この化石エネルギーとは、主に石油や石炭のことです。石油や石炭を燃焼させる事で、酸性雨や大気中に酸性物質が放出されます。地球温暖化の元凶である炭酸ガスの放出もあります。
木材は、その化石エネルギーを消費する量が、他の資材に比べて非常に少なく済むのです。木材が環境に優しい理由はそれだけではありません。廃棄する場合の環境汚染についても、木材は廃棄しても自然に分解されて、土に還ります。燃やしても、水と炭酸ガスになるだけですから、全く環境に負荷を与えないと言えます。
現在、日本の住宅に使用される木材の約8割が、海外からの輸入品です。大きな木材を運ぶためにはたくさんのエネルギーが必要となり、その際、排出される二酸化炭素が、地球温暖化を促進させる要因であるとも言われています。自国の木を使うことはCO2の削減と森林の育成に役立つことなのです。また住宅の建築・使用・廃棄までの過程で使用時(暖房などの光熱費)が一番CO2を発生させています。その量は全体の約7割です。そのため、省エネルギー性能を高めた家づくりが大切です。
具体的には構造躯体が長持ちするものであること。つまり必要な耐震性能を持っており経年劣化しないように結露対策がしっかりされていること。構造材として木材を利用するのであれば、輸入材に比べ日本の四季の中で育った木材は、耐久性も高く、日本の建築に合っています。
耐久性の高い国産材(桧、杉)を採用することで、長寿命住宅の条件を一つ手に入れることとなります。
国産材である桧、杉が、輸入構造材(スプルース、米栂、米松、赤松)等に比べ木材腐巧菌や白蟻に対して耐腐・耐蟻性能を持っていることは各研究機関で証明されています。
きちんと手入れをし、働きの活発な木々を育てていくことで、CO2をたっぷり吸収する森林になります。一人一人が住まう町の環境を考え、行動する事が、町内、県内、国内、そして世界の環境を考える事に繋がるのではないでしょうか。
地域の木材を使用するという事は、地域の市場の活性化・発展にも繋がります。地域林業の発展は林業家の増加を促し、地域経済を活性化することにもなります。経済循環が私達の地域を豊かにしてくれるのです。
そして、自然の力を借り、自然の威力に負けない耐久性と日本の温度、湿度の変化に対応できる家づくり、そして地域の森林を守る家づくりこそ環境を考えたエコハウスと言えるのではないでしょうかワイズでは、輸入材、国産材、どちらの材料もお選び頂けるよう仕様分けをしています。