近年、『シックハウス症候群』という言葉は一般的にもよく聞かれます。
これは、建材に含まれる化学物質が人に及ぼす健康被害で、人によってその症状や程度は様々です。例えば原因の一つとして、木と木を張り合わせた部材(合板)の中の接着剤などがあげられます。シックハウスという名称だけはただ広く知られてはいますが、現状としてまだその正確なメカニズムははっきりしておらず、建材だけでなく、木製の家具などもその原因になる事もあります。シックハウス対策には、「化学物質を使わない材」を使うことが効果的と言えます。
近代、工業の発展により、建築現場で使われる建材も合理化・規格化・低価格化され様々な開発がなされてきました。そのメリットは、「材料に狂いがない」「工業品の為、十分な強度をもつ」など、利点が多いことも事実ですが、その分、色々な物質材料が含まれていることは少なからず想像できると思います。
現在、日本の建築基準法で規制されている化学物質は『ホルムアルデヒド』・『クロルピリホス』の2種類。
しかし、厚生労働省の定める濃度指針値のある化学物質は上記含め15種類。さらに、そこに含まれてはいないものの、人体に影響があるのではないかと疑わしい化学物質は52種類をも超えると言われています。
化学物質に対する建材への規制はあっても、一番身近である『家具』には規制がなく、シックハウスに関連する体調不良の相談件数は、『建材』より『家具』の方が圧倒的に多いのが現状です。ホームセンター、家具量販店などで新品の家具からする『匂い』によって、体調を悪くしてしまう人がいるのはその為なのです。
外国から輸入された家具は加工段階が不明確な分、どのような接着剤を使用しているのか、どのように製材されてきたかなど、体調不良に陥った際の原因究明ができず、対策も分からないまま苦しむ事になる可能性も0とは言い切れません。
生きていく中で、一番多くの時間を過ごす『家』。
家がひとの健康を侵してしまうこと程、悲しいことはありません。
家がひとを守らなければならないのです。
一本の元木から直接部材を切り出した天然の素材。質感や風合いだけでなく、調湿や断熱 効果もある優れた建材です。 |
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植物性プランクトンの化石が堆積したもので、目には見えないほどの小さな穴がたくさん あり、調湿・消臭・耐火・断熱などの効果があります。 |
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消石灰にのり・すさと呼ばれる植物を混ぜ水で練ったもので、防火性・耐久性・防錆性に 優れます。 |
このように、化学物質で加工を行わない自然素材による『生きた資源』を使用することで、『人にも環境にもやさしい家づくり』を目指す事が出来ます。