正式には、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」といいます。これから家を建てる方にとって欠陥のない住宅,不良住宅によるトラブルを未然に防止するために、制定されました。消費者にとっての夢のマイホームに、住宅建設や購入後のトラブルなどあまり考えたくないものです。そのようなトラブルを法律により回避することで、安心した暮らしが確保されています。品確法は『性能表示制度』,『紛争処理制度 』,『瑕疵(かし)担保期間の10年の義務化』の3本柱で成り立っています。
住宅の性能に設けた共通ルール(国土交通省で定められた表示基準)に従い、新築住宅の基本的な性能を、第三者が客観的に評価し表示する制度です。ただし、法で義務付けられてはいないので、この制度を利用するかどうかは、購入者自身が任意で選択することができます。評価の業務にかかる費用は負担することになります。
新築住宅で、戸建て住宅,共同住宅,賃貸住宅,事務所などとの併用住宅も対象であり、建築基準法に適合した住宅すべてが対象です。
地震や強風、積雪などどのくらい耐えられるのか表示します。また、地盤の強さ、基礎の万全さも確認できます。
自宅や近隣の火災から、どれだけ火に強く、かつ非難しやすい住宅であるか表示します。
外壁、床、窓などの耐火性、避難・脱出経路の安全性なども調べられます。
丈夫で長持ちするための劣化対策がどのくらいされているかを表示します。
防腐・防蟻・防錆対策のレベルがわかります。
給排水管やガス管のメンテナンスのしやすさを表示します。掃除や点検、修理が容易にできるかどうか確認できます。
省エネルギー性能のレベルを表示します。
エネルギーを節約し冬は暖かく夏は涼しく過ごせるという、環境対策レベルがわかります。
健康への影響を指摘されるホルムアルデヒドへの対策がされているかを表示します。
内装に使用されている建材や、室内の換気対策を確認できます。
住まいの明るさのために窓の面積や位置・方位についてどのくらい配慮されているかを表示します。た
だし、窓が多いほど耐震性や省エネ性能が下がることもあります。
外からの騒音を防ぎ、かつ中からの音が外に漏れないよう工夫がされているかを表示します。
バリアフリー仕様の程度を表示します。
移動時の安全性の確保や介助がしやすいかどうかがわかります。
ドアや窓などについて、防犯に適した建物部品や雨戸等が設置され、外部からの侵入対策がされているかを表示します。
例えば、まだ若いご家族が住まわれる場合には、「高齢者等への配慮」が低くてもよいこともあるでしょう。この制度は、あくまで住宅の性能を「評価」するための制度なのです。性能等級が上だと売る時の価値は高いか同じ住宅なら性能評価を受けた方が価値が高く,等級が高いほど付加価値も高くなると考えてよいでしょう。ただし、住宅性能評価書に示された性能は評価を行った時点のもので,完成後の一定期間この性能を維持する保証ではありません。